ゴッホ美術館 アムステルダム オランダ

今回3週間の滞在中、一度はアムステルダムへ行こうと決めていた。

目的は、持参している旧通貨であるギルダーをユーロへ換金するためにオランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank)へ行くことと、美術館を訪れること。

ゴッホ美術館は、今回の旅の目玉だった。

美術館には2019年8月21日に訪れた。

ゴッホ美術館


アムステルダム国立美術館(クリックしてください)を出たのは12時20分頃だった。

同じ地域に隣接しているゴッホ美術館の予約が13時だったので、それに間に合うように出て来た。

国立美術館を回る間にすごくお腹が空いてきて、館内で何か食べようかとも思ったが、ゆっくりしていてゴッホに間に合わないといけないと思って食事は後回しにした。

美術館を出てくると、ゴッホ美術館までの道のりはこんな感じになっていた。

露天が沢山出ているので、13時までの間ここでランチを取ることにした。

簡単な食べ物で味はそれほど良くないけど、こういう雰囲気を味わいたいときがあるものだ。

子供の頃に母に連れられて行った催し物などでこういう屋台で食べた記憶がある。

なんとなくカーニバル的な雰囲気があって、悪くない。

時間的にはちょうどよかったので、ゆっくりと食べて、しばらく歩けばもうゴッホ美術館だった。

建物の前にこんな自転車が置いてあった。

前についている大きなかごは子供を数人入れる用。

街には実際に子供二人をこのかごの中へ入れて自転車をこいでいる母親たちが沢山いる。

この日も朝も、アムス市内でこういうのを見かけた。

中に子供は入っていないけど、その他にも大きな荷物を入れる用だったりする。

オランダには変わった自転車が凄く沢山ある。


残念ながら美術館内では写真撮影が禁止されているので、絵の写真はない。

ハーグ市立美術館とアムステルダム国立美術館にあったゴッホの絵を参考までに載せておく。

アムステルダム国立美術館蔵 フェルト帽を被った自画像

下の2枚も同じくアムステルダム国立美術館蔵。

ハーグ市立美術館蔵 花

ハーグ市立美術館蔵 自画像

私は以前からゴッホの絵が大好きで、1999年にパリにあるオルセー美術館でゴッホの絵画を見て以来、彼の人生と作品に興味を持ってきた。

アムステルダムにあるゴッホ美術館は、フィンセント(画家)の甥が設立した私設(家族の)コレクションだ。

17世紀にはまだ早すぎた意識を持って生きたフィンセントは、その生き方や在り方を理解されず、家族とは疎遠だった。

ただ一人だけフィンセントを支援していたのが弟のテオで、テオはフィンセントが37歳で自死したわずか6か月後に伝染病を患って亡くなっている。

残された夫人は夫が持っていたフィンセントの作品をなんとか世に出そうと尽力し、その成果で徐々にフィンセントの作品が世に認められ評価が上がっていった。

その後を引き継いだ甥っ子のフィンセント・ウィリアム(弟テオが残した一人息子)が、コレクションを一般公開するためのファンドを設立したのがこの美術館の始まり。

館内にはフィンセントの作品だけではなく、フィンセントとテオとの間の書簡(手紙)のやり取りも展示されていて大変興味深い。

フィンセント・ファン・ゴッホという人物の人となりがとてもよくわかる内容になっている。

フィンセントが画家を志してから自死するまでの年月は、たったの10年しかない。

館内を巡りながら、作品を見たり書簡を読んだりして彼の人生をなぞっていく間に、何度も涙がこみあげてきて泣きそうになった。

フィンセントの特徴は、実際に目に見える景色にある色ではなく、その景色が現わしている「本質」にダイレクトにつながり、「その場のニュアンス」を色と絵具の質感を使って表現しようとしたところ。

それまでの写実主義や印象派とは一線を画すアプローチだ。

僕がどれくらい独自の視点で現実世界を見ているのかがわかるだろうか。

フィンセント・ファン・ゴッホ

フィンセントは常に、ありふれた日常の風景の中に「新たな視点」を探していた。

見方を変えるだけで、何の変哲もない日常がドラマになる。

その中に普遍的な真理を見出す。

とても革新的な意識を持った人だった。

反面とても気難しく、気性は激しく、ちょっとの意見の違いでも自分を全否定されたように捉えて怒りを爆発させるアダルト・チルドレンの要素も強く持っていた人だった。

彼の恋愛遍歴を詳しく知るのもとても興味深いものだった。

もともとは「農民を描く画家」を志したゴッホは農民を深く尊敬していた。

今の世でもそれは変わらないと思う。

大工さん、農家の人、物を創る人、漁師、そういう「実際的な仕事」をする人たちのお陰で社会は成り立っている。

みんながみんなデスクワークばかりしていたら、社会は成り立たない。

ゴッホはそういう「労働」を行う人たちを描きたいと思っていた。


有名な「ひまわり」の一つは、別棟の展示室で公開されている。

ゴッホはひまわりの絵を何枚も描いたけど、そのうちの一枚は大阪のコレクターが持っていたけれど、戦時中の空襲にあって焼けてしまった。

ゴッホは狂気の画家としてのイメージが強いかもしれないけど、決してそんなことはなく、彼が制作に打ち込めたのは精神が安定しているときに限られていた。

私はこの美術館を訪れて本当に良かった。

大好きだったフィンセントをもっと身近に感じられるようになったし、彼の作品の多くを直接観ることが出来たから。

私が敬愛するミュージシャン、ドン・マクリーンがフィンセント・ファン・ゴッホを歌った曲「Vincent」。

英語の歌詞の下に置いた和訳は私によるもの。

Starry, starry night

Paint your palette blue and grey

Look out on a summer’s day

With eyes that know the darkness in my soul

Shadows on the hills

Sketch the trees and the daffodils

Catch the breeze and the winter chills

In colors on the snowy linen land

Now I understand

What you tried to say to me

And how you suffered for your sanity

And how you tried to set them free

They would not listen, they did not know how

Perhaps they’ll listen now

Starry, starry night

Flaming flowers that brightly blaze

Swirling clouds in violet haze

Reflect in Vincent’s eyes of china blue

Colors changing hue

Morning fields of amber grain

Weathered faces lined in pain

Are soothed beneath the artist’s loving hand

Now I understand

What you tried to say to me

And how…

For they could not love you

But still your love was true

And when no hope was left in sight

On that starry, starry night

You took your life, as lovers often do

But I could’ve told you Vincent

This world was never meant for

One as beautiful as you

星の降る夜

青とグレーに染まったパレット

僕の魂の闇を見透かすその瞳

暑い夏の日

影が差す丘

木と水仙のスケッチ

冬の日の穏やかな風

真っ白なリネンを広げたような雪景色

今なら僕、分かる気がする

君が僕に何を伝えようとしたのかってこと

そして、君が「まとも」だからこそ

苦しんだってことも

君は、人々を解放しにここに来たんだ

だけど人々は、君の言葉を聞く準備が出来ていなかった

聞き方を知らなかったんだ

今ならもしかしたら

彼らも耳を傾けるかも知れない

彼らは君を愛せなかった

だけど、君の愛は本物だった

そしてすべての希望が絶たれた

あの星の降る夜

恋人たちがよくやるみたいに

君は自分で自分の命を奪った

だけど、ねぇ、フィンセント

僕にはわかっていたんだ

この世は結局

君のような美しい人が

生きられる場所ではないってことを

ゴッホ美術館


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アムステルダム国立美術館 アムステルダム オランダ その3

スフェニンゲン・ビーチ ハーグ オランダ

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プロフィール

 

1973年生まれ。

 

1993年から今までで19か国(一部地域)を訪れ、5か国での生活を経験しました。

 

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