Chu’s Gallery SOHO

2001~2015年の間香港で暮らしていた。

Chu’s Fine Chinese Antiques は、SOHOのハリウッドロードにあるチベット仏教の古美術を商うギャラリーだ。


サリー

オーナーはサリーという香港人女性で、両親から譲り受けたギャラリーを一人で切り盛りしている。

親の代からずっとこの場所で商いをしている老舗。

顧客はコレクターたち。

目まぐるしく変化を遂げる香港の街で、今でも変わらずに同じ場所にある稀有なギャラリーだ。

何度も家賃値上げを迫られているが凌ぎ続けている。

私がサリーと出会ったのは2005年。

二人とも出会入りしていたバーの常連同士として出会った。

サリーは落ち着きがなく、いつも大声で誰かと話していた。

集中力がない、というのがサリーを表現するのによく人が使う言葉だった。

落ち着いて何かに集中しているサリーは見たことがない。

いったいあの様子で商売ができるのだろうかと真剣に思ったこともあるが、いまだに店を畳んでいないところを見ると、それなりにうまく行っているのだろうと思う。

サリーと二人でギャラリーにいるときにお客さんが入って来て、接客をするサリーを見たことがある。

彼女独特の話術とでもいうのだろうか、少し変わった接客をしていた。

私は古美術や骨董に詳しくないし、商売の仕方も知らない。

だからいつもただ見ているだけだ。

中にはアメリカから買い付けに来ているバイヤーなどもいて、例えば新装開店のホテルの内装用に古美術の仏像を購入する人たちもいた。

彼女のギャラリーでこういう人たちの買い物の仕方を目の当たりにするのは、面白い経験だった。


テーブル

私がギャラリーの中で一番気に入っているものは、商っている古美術品ではなくて、彼女が使っている大きな無垢の木のテーブルだった。

ギャラリーの真ん中に据えられている木のテーブルとベンチ。

私はここに行くときはいつもこのテーブルについて食事をしたりお茶を飲んだりしたし、集まりがあるときはここに食べ物や飲み物が並んだ。

材質はわからないが、これだけの無垢の木のテーブルが一体どれくらいの値段がするものなのか、私には見当もつかない。

相当高価なものであることだけは確かだと思う。

重工で厚みがあって、そこにあるだけでギャラリー内の空気を落ち着ける存在感を持つテーブル。

そんなテーブルを、私もいつか持ちたいと思う。


サロンとクリエイターたち

サリーのギャラリーは一種のサロンと化していて、月に何度も集まりがある。

私はときどきそうした集まりに顔を出すことがあった。

2015年1月

写真に写っているのはアメリカ出身の写真家のジョン、映画プロデューサーのジェイソン、オーストラリア人のアーティストのアラナ。

このギャラリーに出入りしているのはクリエイターが多かった。

SOHO 界隈を歩く人たちは、皆どこかしらで顔見知りになっている。

だからどこへ行っても同じ顔に会ったりする。

そこが SOHO の良さでもあるんだけど。

ジェイソンと私は古い知り合いで、時折会えば話をする仲だったけど、彼は2017年に脳梗塞で他界した。

人の入れ替わりの激しい香港で、人々はこのギャラリーにやってきては去っていく。


瞑想とヒーリングの会

最近のサリーは瞑想会やヒーリングの会を開くのがお気に入りだ。

さすがはチベット古美術商だけあって、ツールには事欠かない。

シンギング・ボールも沢山ある。

瞑想をするオーナーのサリー。

こういう集まりが月に何度かある。


2018年3月に香港へ立ち寄ったとき、最後の日に時間が取れてサリーに連絡をした。

「Come to my shop. 店に来て」

と言うので、ギャラリーまで行った。

写真はその時に撮ったもの。

限られた日数の中で逢いたい人たちが沢山いたので、他の友人にはサリーのギャラリーまで来てもらった。

私のためにクリスタル・ヒーラーを呼んでヒーリングの会をしてくれたサリー。

大体土日は何かしらの会が開かれているので、覗いてみると面白いと思う。

「いつまで商売ができるかわからないわよ。だけどいくつになっても古美術をやってると思うわ。だってそれしかできることがないからね」

サリーにとって古美術を商うことは人生の一部。

Chu’s Fine Chinese Antiques :G/F, 1 Hollywood Road, Central

+852 2526 7629

スワヤンブナート 世界遺産

ペナン島 マレーシア ビーチ

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プロフィール

 

1973年生まれ。

 

1993年から今までで19か国(一部地域)を訪れ、5か国での生活を経験しました。

 

当サイトはそれぞれの場所の思い出を綴った紀行文サイトです。

 

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