ミッドレベル & SOHO

2018年3月に香港へ立ち寄った目的は、香港に残してきたMPF(年金基金)を解約の手続きを行うためだった。

諸手続きが煩雑で手違いがあるとややこしいので、日本からやるよりも現地へ行って自分でやった方がいいと判断したからだ。

その際に、古い友人のクリスの家へ泊めてもらった。

クリス

クリスの家は、ミッドレベルと呼ばれる香港島の超高級住宅地にある。

彼とはバンド活動をきっかけとしてずっと友人関係を繋いでいるが、昼間は自分の名前を冠した弁護士事務所を運営する弁護士で、奥様は判事という夫婦なのだ。

彼の家にあったレコード・プレーヤー。

ジャズを流してくれたけど、最近ビニールLPへ回帰する人がすごく増えている。

MP4とかのデジタルの音では薄っぺらくて嫌だって人が多いんだろうね。

クリス以外にも何人かプレーヤーを買い直している人がいたものね。

周波数の問題。

彼の家のバルコニーからの眺め。

日本の方は驚くかもしれないが、香港では割と普通だ。

香港は新界、九龍、香港島に分かれている。

私は新界に半年、九龍に7年、香港島に8年暮らした。

香港島とはその半分くらいが山で、住宅地は山肌を切り取った形で密集して創られている。

平らな九龍と違い急な勾配がきついので、青空のエスカレーターを敷いて、平地から山上の住宅地まで楽に登れるような設計になっている。

朝になるとエスカレーターは下向きに切り替わるというが、どうせなら上下両方完備してもらいたいと切に願う。

香港島の勾配を足で登り降りするのは、身体への負担がとても大きいから。


この日は朝11時に、セントラル(麓)にあるクリスの法律事務所でMPF関係の書類のサインをする約束になっていた。

「11時までに事務所に来て」

それで、朝食を食べたあとにクリスの家を出発して、足で坂を下りながら SOHO を目指すこととなった。

こんな感じ。

まだ3月だけど、軽く歩いただけで汗が出てきた。

さすがは香港、蒸し暑い。

綿物だけどセーターを着てきたことが悔やまれた。

スーツケースの中にあるコットンのタンクワンピに着替えたかった。

でも仕方ない。

セーターを脱いでTシャツになってそのまま坂を下り続ける。

この辺りは香港の中でも私が一番好きなエリアだ。

道の両端には店がひしめき合う。

陶器を売る店。

陶芸をやっていた関係で、陶器には自然と目が行く。

良い物はない。

普段使いのものを安価で売っている。

相変わらずの露天も香港らしい。

ご存知の方も多いと思うが、香港の建設現場の足場はすべて竹材で組まれる。

こんな風に。

竹はしなるし丈夫なので、足場を組むのに向いているらしい。

超高層ビルを建てるときも、足場は竹材だ。

その間に台風が来てめちゃくちゃにやられることがあるけど。

時々事故もあるようだけど、それはどこでも同じ。

よくヨーロッパから来た観光客が面白がって竹材の足場の写真を撮りまくっている場面に遭遇する。

今の私も同じかと思ったら、ちょっと笑える。

だいぶ坂を下ってきたら、いよいよ SOHO だ。

SOHO とは South of Hollywood Road の略。

クリスの事務所は SOHO にあるのだ。

この辺りがマイ・ホームグラウンド。

俄然元気が出てくる。

この辺りを歩くのが、私にとっては無常の幸せ。

まさしくBlissful Moment.

香港のこういうところはいつもノスタルジーを誘う。

変化が早いにも関わらず、変わらないところはずっと変わらない。

それが西洋と東洋が絶妙に融合している香港独特の魅力なんだ。


事務所につくと、クリスは忙しそうにしていた。

今日はスーツは着ていない。

自分の事務所だから、クライアントとのミーティングがないときは、Tシャツでやってるんだろう。

家ではAC/DCのTシャツがパジャマだけど。

クリス夫妻は本当に面白い。

出会いはロンドンの大学時代だと言うから、学生時代の恋人なんだろう。

クリスは以前は酒を飲みすぎたし、ギタリストだし、週末はスポーツバイクでツーリングが趣味なワイルドな男。

奥様はいかにも判事然とした、沈着冷静なタイプ。

こんな二人が四半世紀以上も連れ添って、一人娘はもう23歳になったという。

私が初めて会ったときは12歳だったのに。

クリスを待つ間、窓から写真を撮っていた。

クリスの事務所には今まで何度も来た事がある。

クリスと一緒にお茶を飲むため、食事をするために来た事もあったし、いつかはクリスが日本人のクライアントをもって、会議通訳を頼まれていた時期もあった。

事務所の子たちは私の顔と名前を知っている。

ようやく時間が取れて会議室に来たクリスと二人で書類に目を通し、一枚ずつサインをしてスタンプを押していく。

やりそこなったら、もう一度プリントアウトしなおしてやり直しだ。

(実際に何枚かはやり直した)

年金基金の解約って、煩雑だけど結構直球。

書類さえしっかりとやれば、後は自動的に解約ができる。

午前中に一番の大仕事を終えて、後は書類を銀行へ提出するだけ。

午後一番最初に向かう先は、HSBC(香港上海銀行)の本店窓口。


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プロフィール

 

1973年生まれ。

 

1993年から今までで19か国(一部地域)を訪れ、5か国での生活を経験しました。

 

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